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事故を起こした運転者にどの程度の損害賠償請求ができるか-4-(連載第135回)

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2016年6月)

Q 当社は、トラック30台ほどの運送業ですが、運転者が事故を起こしたとき、その損害の一部を負担させることはできるのでしょうか。
 最近は、会社が長時間労働をさせたことが事故の原因であるとして運転者への請求ができないような感がありますが、ほとんど時間外労働がない状態で運転者の過失で事故が発生した場合、どの程度の請求ができるのでしょうか。

A 労働者が故意に使用者に損害を与えたときはその損害について賠償請求ができることは当然ですが、運送業等における運転者が過失によって使用者に損害を与えた場合については、裁判例によれば、運転者に相当の過失が認められる場合で損害額の3分の1程度が上限といえるようです。
 事件の内容によるところから一概にはいえませんが、請求額の4分の1を限度とした最高裁の判決もあります。
 労働者の過失が軽い場合、使用者側の労務管理、安全管理に不備があったような場合は、5パーセント以下ないしゼロといった査定もあります。

〔解説〕

 前回に引き続き、事故を起こした運転者に対する損害賠償請求について、実際に裁判になった事例を紹介します。

3 裁判例

(5)会社の安全指導・車両整備等にも原因があったとして賠償額を5%とした例
                   (K興業事件 平12.11.21 京都地裁判決)

〔事件の概要〕

 被告は、平成8年7月、原告会社に雇用され、原告会社が所有する4トントラックの運転業務に従事していたが、平成9年2月深夜、機械を積載した本件車両を運転して、京都から富山方面に向かって時速約50キロメートルの速度で北陸道の走行車線を走行していたが、先行車の速度が遅かったため、追越車線に車線変更したところ、前方に工事中のパイロン(カラーコーン)があったので、再び左の走行車線に車線変更したところ、凍結した路面で車両がスリップし、トンネル入り口付近の側壁にキャビン左側を衝突させた。
 被告は、平成9年11月、原告会社を退職したが、退職後、原告会社から60数万円の弁償を要求されたため、月2万円を支払うことで解決しようと考え、45万円の借用証書を書いた。
 その後2万円ずつ2回計4万円を支払ったが、賠償金の支払いに納得できず、

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