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民法の時効制度の改正により賃金等の時効はどうなるか 1(連載第162回)

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(2018年2月)

 有給休暇は2年以内であれば繰越可能など、労働基準法に基づく賃金等の請求権の時効は2年であることは広く知られています。今回は、2020年4月1日に施行が予定されている改正民法の一部である「債権等の消滅時効」について考える準備として、まず、現行民法における時効について解説します。(ホームページ編集部)

Q 民法の時効制度が改正されるようですが、賃金等の時効にはどのような影響があるのでしょうか。
 また、時効は、中断することによって延長することができるとのことですが、どうすれば中断できるのでしょうか。

A 現行民法上、債権の時効は10年とされていますが、月給、日給等賃金にかかる債権の時効については1年という短期消滅時効が適用されています。昨年6月に公布され、2020年4月に施行される改正民法では、短期消滅時効が廃止され、債権の時効は、債権者がその権利を行使することができることを知ったときから5年、(知らない場合には)権利を行使できるときから10年となります。
 賃金等労働基準法に基づく労働者の請求権については、現在、2年(退職金は5年)の時効とされていますが、民法改正との関係でこれをどうするかについては、厚生労働省において検討中です。

〔解説〕

 昨年、民法の大きな改正が国会において成立、同年6月2日交付されました。
 民法の債権関係条文約300条のうち半分以上に手を入れ、新しく加えられた条文もあります。
 影響の大きな改正であるので、周知期間を考慮して、交付の日から3年以内の政令で定める日(2020年4月1日)から施行されることになっています。
 時効に関するもの以外にも、労働条件に関係する改正はありますが、当然のことながら、今回は時効に関して説明します。
 ところで、順序としては、時効制度に関する今回の民法改正の内容を説明する前に、現行の民法における時効に関する規定の概要を説明します(時効の中断に関してもそこで説明します。)。
 時効に関しては、誤解されている部分もあるようであり、また、改正の内容を理解するには、現行がどうなっているかを知っておく必要があるからです。これからまだ2年余りは現行制度が適用されるわけですから、その点からも必要でしょう。
 もちろん、民法だけでなく、賃金等労働基準法上の請求権の時効も念頭におきながら説明します。

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