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事業場外みなし労働時間制について-2-(連載第96回) 

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2014年9月)

Q最近、旅行添乗員の業務について事業場外のみなし労働時間制が適用されないという最高裁の判決が出されたようです。
 旅行添乗員の仕事は、ほとんど全部といってもいいほど、事業場外の仕事であると思うのですが、なぜみなし労働時間制の適用がないのでしょうか。
 当社でも、添乗員とは違いますが、大半の時間が事業場外である営業担当の従業員がいますので、みなし労働時間制の適用範囲について説明いただければ幸いです。

A 労働基準法が定める事業場外のみなし労働時間制は、

イ 労働時間の全部または一部を事業場外で業務に従事し、
ロ 使用者の指揮監督が及ばないため労働時間を算定することが困難な場合
に適用されます。

 イ、ロの双方に該当する場合には、
(1) 原則として、所定労働時間労働したものとみなされます。
(2) しかし、その業務を遂行するためにはとても所定労働時間では終わらないと思われる場合には、その業務に通常必要と思われる時間労働したものとみなされます。
(3) (2)の場合に、必要と思われる時間について労使協定を締結したときは、労使協定で定める時間労働したものとみなされます。
(上記説明は、労働基準法第38条の2の規定をわかりやすく変えたものです。)

〔解説〕

 前回は、事業場外のみなし労働時間制が適用される労働者や業務の範囲について説明しました。
 単に事業場外で業務に従事するだけでなく、「労働時間の算定、把握が困難である」という要件にも該当しなければ、みなし労働時間制は適用されないことを説明しました。
 今回は、みなし労働時間制を適用する場合、「何時間労働したものとみなすか」について説明します。

2 みなし労働時間の内容

(誤解2)

 みなし労働時間制により、所定労働時間労働したものとみなせばよい

 あとで説明する事業場外のみなし労働時間制に関する裁判例では、使用者敗訴の事件がほとんどですが、敗訴した使用者側の説明は、営業社員等に相当時間の時間外労働が存在するにもかかわらず、「みなし労働時間制により所定労働時間労働したものとみなしている」というものです。

 まるで、「みなし労働時間制の適用」は、営業社員の時間外労働の存在に目をつぶり、時間外労働に対する割増賃金を支払わないための口実として使われているようなものです。
 裁判になった事件を見る限り、労働基準法が定めたみなし労働時間制が、その一部だけを引用することにより、割増賃金不払いに利用されているような印象さえ受けます。

 しかし、労働基準法の定める事業場外のみなし労働時間制は、「所定労働時間労働したものとみなす」だけのものではありません。
 「何時間労働したものとみなすか」については上記アンサーにあるとおりですが、もう少し詳しく具体的な数字を入れて表現すれば、次のようになります。

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