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労働者に年次有給休暇の取得目的を聴くことはできるか(連載第94回) 

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2014年8月)

Q当社の年次有給休暇届の用紙には、「休暇目的」の欄がありますが、記入しない従業員も結構います。休暇が長期にならない限り、あらためて目的を聴取するようなことはしていませんが、年次有給休暇の目的を聞くのは違法ではないかという者もいます。
 常に聴くというつもりもありませんが、会社の業務の都合等によっては聴きたいときもあります。休暇目的の聴取については、どのように考えるべきでしょうか。

A 最高裁は、「年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である、とするのが法の趣旨であると解するのが相当である。」としています。
 労働者の年休届のたびごとに休暇理由を記入させたり、聴いたりすることは休暇を抑制する可能性があり、最高裁判決の趣旨にも反すると思われますが、繁忙期に多数の労働者が年次有給休暇の取得を希望してきたときに、必要性の高い者を優先する場合等一定の場合には、休暇理由を聞くこともできると思われます。

〔解説〕

1 年休権の法的性格

 最高裁は、年次有給休暇の権利に関して、

 年次有給休暇の権利は、労基法39条1,2項の要件に充足により、法律上当然に労働者に生ずるものであって、その具体的な権利行使に当たっても、年次休暇の成立要件として「使用者の承認」という観念を容れる余地はない(中略)。年次休暇の利用目的は労基法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者 の干渉を許さない労働者の自由である、とするのが法の趣旨であると解するのが相当である。(国鉄郡山事件 昭和48.3.2 最高裁判決)

という判断を下しています。

 年休権は、労働者が時季を指定して、たとえば「9月10日に年休を取得する」とか10月6日から10日まで年休を取得する」といって、使用者に通知すれば、その指定した日(または期間)の就労義務が消滅する(当然に年休が取れる)ものです。
 したがって、年休権の法的な意味は「請求権」ではなくて「時季指定権」です。

 

2 使用者の対抗手段

 労働者が年休の取得を通知してきたときに、使用者がこれを阻止する手段としては、1つの方法しかありません。
 それは次のような方法です。

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