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他事業場で勤務した後当社で勤務し8時間を超えた場合割増賃金の支払いが必要か-1-(連載第88回)

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2014年5月)

Q当社は、○○市でコンビニエンスストアを経営していますが、19時から22時までの3時間をアルバイトとして勤務していた者が、他社において7時間(9時~17時)勤務の従業員として働くことになりました。
 本人は、昼間勤務をすることになっても、従来どおり当店における3時間勤務を続けたいといっており、当店としても特に異存はないのですが、ひとつ気になることがあります。 労働基準法には、他社と当社の勤務時間を通算して8時間を超える場合は割増賃金を支払わなければならないという規定があるようであり、もしそのとおりとすれば、本人の当店における3時間の勤務のうち2時間については、25%の単価アップになります。
 当店の側は何も変化がないのに、急に割増賃金を支払わなければならなくなるというのは納得がいきませんが、そういうものなのでしょうか。

A 労働基準法によれば、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、通算する。」ことになっており、通算の結果、法定労働時間を超えて労働させた使用者は時間外労働の割増賃金の支払義務を負います。
 ただし、厚生労働省は、割増賃金の支払義務を負うのは、当該労働者と時間的に後で労働契約を締結した事業主であると解すべきとしており、したがって、質問の場合、(7時間+3時間=)10時間労働の結果1日の法定労働時間をオーバーした2時間に対する割増賃金支払義務を負うのは、昼間勤務をすることとなった事業場であるということになります。

〔解説〕

1 はじめに

 最近、マルチ・ジョブ、マルチ・ジョブ・ホルダーといった言葉を聞くことがあります。
 自己の能力をフルに発揮するため、1つの仕事だけでなく、複数の仕事をこなすという形もありますが、一方、1つの仕事では十分な収入が得られないため、複数の仕事に従事するという形も、見られるようです。

 労働者のもう1つの仕事が、内職、自営業等である場合は、労働基準法上の問題は生じませんが、労働者として雇用された場合は、労働時間の通算の問題が生じます。

 例えば、質問と同じようにA事業場で7時間働いた労働者がその日にB事業場で3時間働いた場合、その労働者のその日の労働時間は通算すれば10時間になり、1日についての法定労働時間を超えることになります。
この場合、法定労働時間を超えた2時間についての割増賃金はどうなるのか。
支払わなければならないのか。  支払うとすれば、A,Bどちらの事業主が支払うべきかという問題があります。

質問に対する回答だけということになれば、上記のアンサーで足りるのではないかと考えますが、労働基準法はどのように規定しているのか、その規定について行政はどのように説明しているのかについてしっかり把握しておかないと、特定のケースについてのみの回答を知っていても応用が効きません。

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