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労働協約を締結すれば労働者個人の同意がなくても賃金の口座払いは可能か-2-(連載第87回) 

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2014年5月)

Q多くの会社がそうであるように、当社も口座振込みによって賃金を支払っていますが、当社従業員の一人が現金で支払って欲しいといってきました。
 労働基準法は「労働協約で定めた場合は、通貨以外のもので支払うことができる」と定めており、当社では労働組合と締結した労働協約で「賃金は口座振込みによって支払う」旨定めていますので、現金払いの要請に応える必要はないと思いますが、どうなのでしょうか。

A 労働基準法施行規則第7条の2は、「使用者は、労働者の同意を得た場合には、口座振込みの方法によって賃金を支払うことができる」旨定めており、労働者が賃金の口座振込みに同意しない場合には、現金によって支払う必要があります。

〔解説〕

 前回は、労働基準法に規定された「通貨以外のものによる賃金の支払い」に関して説明しました。
 そこでは、「口座振込みによる賃金の支払い」についての規定はありませんでした。
 今回は、「口座振込みによる賃金の支払い」についてはどこで規定されているのかという点を含め、「口座振込みによる賃金の支払い」の適法要件について説明します。

2 口座振込みによる賃金支払いの要件

 口座振込みによる賃金の支払いについては、労働基準法第24条の条文上何も表現されていませんが、労働基準法施行規則第7条の2第1項(本条は、昭和62年に同規則に追加されました。)には、次のように規定されています(要旨)。

 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。
1.当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
2.当該労働者が指定する金融商品取引業者に対する当該労働者の預り金への払込み
 (以下略)

 労働基準法第24条には直接的に表現されておらず、また、同条に委任規定があるわけでもないのに、労働基準法施行規則に口座振込みの要件が規定されているのは、釈然としない感じもありますが、厚生労働省労働基準局は、労働基準法施行規則第7条の2第1項が追加された経過に関し、次のようにいっています。

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