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諭旨解雇(諭旨退職)の場合退職金を支払う必要があるか-2-(連載第84回) 

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2014年3月)

Q社内調査において、担当者が不正経理を行っていたことが判明しました。金額がさほどでもないので、諭旨解雇処分にしようと思います。この場合、自己都合退職者と同等の退職金を支払う必要があるでしょうか。
 それとも、懲戒処分ということで、支払わなくても差し支えないのでしょうか。

A 「諭旨解雇」とは、一般的に「懲戒解雇」よりワンランク軽い処分と考えられますが、退職金の不支給については、懲戒解雇の場合であっても相当額の退職金の支払を命じた裁判例もあり、また、普通解雇の形を取った場合であっても懲戒解雇事由が存在する場合には退職金の不支給も可能であるとするとする裁判例もあります。
 すなわち、労働者の規律違反、非違行為に対する解雇、退職金不支給処分の妥当性の判断にあたっては、解雇の形式もさることながら、その労働者の行為の重大さ、悪質さがどの程度のものかということが最も重要です。
 ただ、「諭旨解雇」「諭旨退職」が一般的に「懲戒解雇」のワンランク下に位置づけられているところから、「諭旨解雇」「諭旨退職」という処分を行った場合、企業自身が「懲戒解雇」にするほどではないと考えていると解釈され、それならば、少なくとも退職金の一部ぐらいは支払うべきではないか、場合によっては自己都合退職金程度は支払うべきではないかとされるケースは相当あり得ると考えられます。

〔解説〕

 前回は、諭旨解雇に関する就業規則の規定例を検討しました。
 今回は、諭旨解雇の場合の退職金不支給に関する裁判例を見ながら、その可否について考えます。

3 裁判例の検討

 諭旨解雇と退職金に関する裁判例はそう多くあるわけではありません。
 探した範囲では次の2つですが、いずれも一定額の退職金の支払を命じています。

(1)諭旨解雇と退職金の不支給に関する裁判例

a.諭旨解雇者に自己都合の場合と同率の退職金の支払を命じた例
   (中島商事事件 昭和49.5.31 名古屋地裁判決)

 この事件は、同僚、上司への暴言を理由として諭旨解雇とし、「懲戒及び諭旨解雇の場合には退職金を支給しない」との就業規則の規定に基づき退職金を支給しなかったものです。

 判決は、諭旨解雇は有効としつつ、退職金については、

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