1. プライムコンサルタント
  2. 人材マネジメントセミナー
  3. 中川恒彦の人事労務相談コーナー
  4. 諭旨解雇(諭旨退職)の場合退職金を支払う必要があるか-1-(連載第83回) 

プライム特選情報

諭旨解雇(諭旨退職)の場合退職金を支払う必要があるか-1-(連載第83回) 

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

中川恒彦先生のプロフィールはこちら

(2014年3月)

Q社内調査において、担当者が不正経理を行っていたことが判明しました。金額がさほどでもないので、諭旨解雇処分にしようと思います。この場合、自己都合退職者と同等の退職金を支払う必要があるでしょうか。
 それとも、懲戒処分ということで、支払わなくても差し支えないのでしょうか。

A 「諭旨解雇」とは、一般的に「懲戒解雇」よりワンランク軽い処分と考えられますが、退職金の不支給については、懲戒解雇の場合であっても相当額の退職金の支払を命じた裁判例もあり、また、普通解雇の形を取った場合であっても懲戒解雇事由が存在する場合には退職金の不支給も可能であるとするとする裁判例もあります。
 すなわち、労働者の規律違反、非違行為に対する解雇、退職金不支給処分の妥当性の判断にあたっては、解雇の形式もさることながら、その労働者の行為の重大さ、悪質さがどの程度のものかということが最も重要です。
 ただ、「諭旨解雇」「諭旨退職」が一般的に「懲戒解雇」のワンランク下に位置づけられているところから、「諭旨解雇」「諭旨退職」という処分を行った場合、企業自身が「懲戒解雇」にするほどではないと考えていると解釈され、それならば、少なくとも退職金の一部ぐらいは支払うべきではないか、場合によっては自己都合退職金程度は支払うべきではないかとされるケースは相当あり得ると考えられます。

〔解説〕

1 「諭旨解雇」とは

 そもそも、「諭旨解雇」について、労働基準法、労働契約法等の上では何らの定めはなく、「諭旨解雇」とはこういうものであるとか、こうあらねばならないということはありませんが、極めてアバウトにいえば、

 懲戒解雇よりワンランク軽い処分であって、退職金については、不支給から、半額支給、全額支給まで、幅のある処分である。

といえます。

 おそらく「本来ならば懲戒解雇であるが諸般の事情を考慮して」とさとして自発的な退職を勧め、あるいは、解雇ではあるが懲戒解雇ではないという形をとることによって、懲戒解雇というドラスティックな裁断を避けようとするいわば旧来の日本的なあるいは情緒的な配慮により、戦前から講じられてきた解雇の一形態であると考えられます。

 発生的にはそのように考えられますが、現状を踏まえて考えた場合、

ここから先は「WEB会員」の方のみご利用いただけます。

ログインして続きを読む
ログインして続きを読む
会員登録(無料)がお済みでないかたはこちらから
WEB会員登録(無料)
WEB会員についての詳細はこちらから

WEB会員について

このページの先頭へ