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出向命令は労働者の同意がなくても有効か(連載第71回) 

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(2013年9月)

Qこの度、当社社員を関連会社(事実上の子会社)の管理職として出向させようとしましたが、「自分は当社と労働契約を結んだのであり、他社に出向しなければならない義務はない」と主張しています。
 当社としては、就業規則に「業務の都合により、他社への出向を命ずることがある」という規定もあり、社員は、出向命令に服さなければならないと考えていますが、どうなのでしょうか。

A 就業規則に出向(在籍出向)に関する根拠規定を置くとともに、就業規則又は出向規定等に出向手続き、出向中の処遇、出向期間、復帰の際の処遇等について明確かつ合理的な規定がある場合は、使用者に出向対象者の選定等につき不当な目的があるなどの事情がない限り、労働者は出向命令に服する義務があります。

〔解説〕

 出向には、在籍出向と移籍出向(転籍)とがありますが、質問のケースは在籍出向と思われますので、在籍出向を中心に説明します。
 移籍出向については、あとで簡単に説明します。

1「在籍出向」の有効性について

 「在籍出向」とは、出向元との労働契約関係を維持したまま、出向先との間にも労働契約関係を成立させ、出向先において業務に従事するものをいいます。
 労働契約法第14条は、在籍出向について、次のように規定しています。

第14条 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令がその必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

 条文には、「在籍」という語は出てきませんが、労働契約法の施行通達(平成24.8.10 基発第0810第2号)では、

 法第14条の「「出向」とは、いわゆる在籍型出向をいうものであり、使用者(出向元)と出向を命じられた労働者との間の労働契約関係が終了することなく、出向を命じられた労働者が出向先に使用されて労働に従事することをいうものであること。

といっています。

 「使用者が労働者に出向を命ずることができる場合」とはどういう場合かについて、労働契約法、通達ともに特に説明していませんが、一般的には、

 就業規則に業務上必要がある場合には出向を命ずることができる旨規定されており、出向時の処遇、出向期間、復帰後の取扱い等についての出向規定が整備されている場合

をいいます。

 その上で、出向の必要性がないとか、対象労働者の選定に不当な意図があるといった場合には無効となりますが、

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