第18回 労働基準法上の「管理監督者」とは―3―
【中川恒彦の人事労務相談コーナー】
Q 労働基準法では、「管理監督者」については労働時間、休日等の規定の適用がなく、したがって、時間外手当、休日労働手当等の支給の必要はないとされていますが、労働基準法で定める「管理監督者」とは、どの程度のものをいうのでしょうか。
当社は、社歴50年以上で、職制は比較的オーソドックスと思いますが、たとえば、本社課長、地方支店課長は「管理監督者」として扱って差し支えないでしょうか。
A 労働基準法が定める「管理監督者」とは、労働時間等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務と責任、権限を有し、賃金等についてもその地位にふさわしい待遇がなされている必要があり、単に課長、マネージャーといった職務の名称で判断されるものではありません。
そのようなことから、一概にはいえませんが、一定規模以上の企業の本社における部課等の組織の長(部下10人程度以上)で、当該組織の業務を総括する者は、「管理監督者」に該当する可能性がありますが、地方支店等の場合は、その長又は次長役等を除きその可能性が低下すると考えられます。
(解説)
解説の「1 管理監督者の問題点」、「2 管理監督者に関する行政の見解」については、第16回を、「3 管理監督者の範囲についての基本的な要件」の(1)、(2)については、第17回をご覧ください。
3 「管理監督者の範囲」についての基本的な要件
(3)「自己の勤務時間についての自由裁量権」
「自己の勤務時間についての自由裁量権」も、「管理監督者」と認められるための要件として、よく挙げられます。
しかし、現在の「基本通達」には、そのような表現はありません。
前回も前々回も引用しましたが、「基本通達」は次のようにいっています。
「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである。
(昭和22.9.13 発基第17号、昭和63.3.14 基発第150号)
実は、この通達は、昭和63年に改正されるまでは、次のように書かれていました。

