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オール歩合制は違法か-1-(連載第120回)

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2015年9月)

 労働基準法は賃金について一定の規制をしていますが、それ以外に賃金制度、賃金の決め方についての規制はなく、労使の自主的な決定に委ねられています。ただし、労働時間に応じた一定額の賃金保障は必要です。
 今回は、運送業界などで導入されているオール歩合制について解説しています。(ホームページ編集部)

Q 当社は運送業を経営していますが、ときどきオール歩合制は違法であるということを聞きます。現在オール歩合制を採用してはいませんが、違法であるとすればなぜ違法なのかを説明していただけないでしょうか。

A1.月給、日給といった固定的賃金制度を設けず、売上げ、輸送量等に応じて賃金を支給する歩合給制度のみであっても、必ずしも労働基準法に違反するものではありません。
 ただし、労働時間に応じた一定額の賃金保障は必要です。

2.本体賃金が歩合給だけの場合であっても、労働者が1日8時間、1週40時間等の法定労働時間を超えて労働した場合には、歩合給を基礎賃金として割増賃金を支払わなければなりません。

〔解説〕

 「オール歩合」という言葉は、一種の業界用語のようなもので、法的に「オール歩合」という言葉があるわけではありません。
 「オール歩合制は適法か違法か」という質問からは、次の2つの意味が考えられます。

1.賃金が歩合給だけで、月給、日給、時間給のような固定的賃金いわゆる固定給制度を設けていない場合は、賃金が極めて不安定になることから、賃金が歩合給だけで構成されている「オール歩合制」は違法ではないか。
2.「オール歩合制」というのは、賃金を労働者の売上げ等に応じて支払うものであり、労働時間に関係のないものであるから、時間外労働等に対する割増賃金の支払いは必要がないのではないか。

 1.の意味で質問するケースが多いとは思われますが、何しろ「オール歩合」という言葉に法的定義があるわけではありませんから、質問者は②の意味で質問されているかもしれません。
 今回の質問からは、そのどちらであるのかが明確にはわかりませんので、1.、2.の双方について回答することにします。
 まずは、1.から考えてみることにします。

1 歩合給制度のみでも適法か

(1)賃金制度に関する法律上の規制の基本的な考え方

 はじめに、法律は、賃金制度に関してどのような態度で臨んでいるかについて考えてみましょう。

 どのような賃金制度を設けるか、賃金をどのように決めるかは、原則として当事者の自由です。
 労働基準法は、賃金について第3条(均等待遇)、第4条(男女同一賃金)、第24条(賃金支払の5原則)、第27条(出来高払の保障給)、第37条(割増賃金)において、最低限これだけはという事項について一定の規制をしていますが、それ以外に

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