第10回 有期労働契約の更新回数と雇止めとの関係(3)
【中川恒彦の人事労務相談コーナー】
Q 有期労働契約については、ある程度の回数を更新すれば、期間の定めのない労働契約と同様に取り扱う必要が生じ、雇止めができなくなるといわれていますが、更新回数がどの程度であれば、雇止めが有効と判断されるのでしょうか。
A 労働契約書の中に契約期間が明記されており、かつ、更新の度ごとに更新の必要性、本人の勤務成績等を判断の上、新たに労働契約が締結されている場合には、更新回数にかかわりなく、雇止めは有効であると判断した裁判例が多くみられます。
(解説)
解説の「1 はじめに」、「2 関連する法令等の規定」、「3 更新回数と雇止めとの関係に関する厚生労働大臣答弁」については、第8回を、「4 有期労働契約の雇止めの有効性に関する裁判例(1)」については第9回をご覧ください
4 有期労働契約の雇止めの有効性に関する裁判例
(2)有期労働契約の雇止めが無効とされた裁判例
前回は最高裁の判例を2つ紹介しましたが、その後の地裁、高裁における裁判例においては、有期労働契約の雇止めが有効とされた例、無効とされた例が数多く出されています。
もちろん、全てを紹介するわけにはいきませんが、まず、雇止め無効とされた裁判例を紹介します。
i) 三洋電機事件(平成3.10.22 大阪地裁決定)
〔事件の概要〕
会社は、契約期間1年の定勤社員(雇止め時、長い者で勤続14年程度、短い者で4年程度)のほぼ全員(1000名余り)につき、経営環境の悪化等を理由に

