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退職後同業他社に就職した労働者の退職金を返還させることができるか-1-(連載第110回) 

【中川恒彦の人事労務相談コーナー】

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(2015年4月)

Q 最近、当社を退職した従業員が3カ月後にライバル会社に就職していたことが判明しました。
 退職金は退職1カ月後に支払済みですが、ライバル会社に就職された場合は当社の営業方針等が漏れる可能性も高いので、退職時に「退職後1年間は同業他社には就職しない」旨の誓約書をとっております。
この場合、この退職者に退職金の返還を求めることができるでしょうか。

A 労働者には職業選択の自由がありますから、基本的には、退職後どのような職業に就くか、どのような企業に就職するかは、本人の自由です。
 しかし、退職した労働者が同業他社に就職し、自社のノウハウ等を同業他社に利用されたのでは多大の損害を被ることになります。
 そこで、そのような可能性が危惧される場合には、退職後一定期間、同業他社に就職しないよう求め、期間内に就職した場合は退職金を不支給とし、すでに支給していた場合はその返還を求めることも可能です。
 ただし、退職金不支給、返還請求に関する規定を整備しておくとともに、退職金不支給措置の理由について説明できることが必要です。

〔解説〕

1 退職後同業他社に就職した場合の退職金不支給に関する基本的考え方

 そもそも、退職後どのような企業に就職するかは、基本的には本人の自由です。
 退職金は、本人の会社在籍中の功労に対して支給されるもので、退職後の行動を規制するかのごとき条件を付けるのはおかしいのではないかともいえます。

 しかし、退職した労働者が同業他社に就職し、自社のノウハウ等を同業他社に利用されたのではたまったものではありません。
 もちろん、一口に同業他社への就職といっても、その状況はさまざまです。
 どこの企業でもやっているような特に専門性のない業務に従事していた労働者が、退職後同業他社に就職したとしても、元の会社として特に困ることは通常はないでしょう。

 しかし、他社にはない独特の技術を売り物にしているA社においてその独特の技術を身につけた労働者が、A社と競争関係にあるB社に就職し、その独特の技術を発揮したような場合は、

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