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人事コンサルティングの事例

「経営計画と組織目標・業績評価との連動」事例

お客さまのプロフィール
社名 T社 業種 製造業
従業員 正社員約180名 売上高 約50億円

■ 概要

 T社は創業80年の機械製造業。地域密着で堅実・安定的な経営を続けてきました。しかし昨今、業界内の技術革新が進んで新興勢力が台頭、従業員に求められる技術や能力も大きく変化する中、従来の「能力主義」人事制度では社員を処遇しきれない、特に実力と賃金とのギャップをいつまでも調整できないという現実に直面していました。

 ここ1~2年、「一体何が問題で、何を改善しなければならないのか」について、経営と人事部門がさまざまな模索を重ね、従来の「職能資格制度」から「責任等級制」への転換を意思決定しました。約半年をかけて制度構築は完了し、現在は、半年後の運用開始を見据え、新制度の目的・コンセプト・運用ルールを浸透させるべく、社員への説明・教育を進行中です。

■ 背景と課題

 1990年に「職能資格制度」に基づく人事制度を導入。制度そのものは大変緻密、丁寧に作られており、規程やフォーム類の整備も万全、人事部はこの制度を忠実に運用してきました。

 しかし、制度そのものが複雑でわかりにくい、運用が煩雑、その割に社員のモチベーションUPや会社業績向上などの期待した効果が上がらない、といった悩みを抱えていました。

 特に目標管理のしくみがうまく機能していないことが、経営者や管理職には不満でした。また、人件費の高止まりという、直接的に会社業績を圧迫する事態にもなっており、数年前から「55歳以降の賃金カット」も実施していました。当社のセミナーや簡易診断を通して、このような事態を招いている要因が「職能資格制度」そのものにあることに気づかれ、改革を決意されたのです。

■ コンサルティングの内容

 まずは、等級制度の再構築を行いました。従来は、能力等級と役割等級の二本立ての運用をしていましたが、これを役割責任基準の等級制度に一本化しました。

 次に、報酬制度をリニューアルしました。月例賃金については、各人の支給実態や企業体力、世間相場などを検討の上、T社にふさわしい「ゾーン型等級別賃金表」を設計しました。運用には「段階接近法」を用い、成績による賃金格差がより明確につくようにしました。賞与については、基本給に連動した支給額決定をやめ、等級別・成績別賞与配分点数表を用いた個人配分のしくみを作りました。

 最後に、評価制度を整備しました。

 従来の、能力等級による評価区分では、評価基準があいまいで、役割・仕事(プロセス)やそれに伴う成果責任(アウトプット)を評価することができません。したがって、社員が能力向上を指針にいくらがんばっても、組織成果や会社業績につながる実感が持ちにくいものでした。

 特に目標管理については、「等級」と「役割・仕事」が連動していないため、役割に応じた目標を設定できず、作られる目標・出てくる評価結果には経営者も強い違和感を覚えていました。会社の経営計画や日常の組織運営・業務遂行と関わりのないところで、評価制度だけが独り歩きしており、社員の「やらされ感」、経営の「不全感」は募るばかりでした。

 今回、「職能資格制度」から「責任等級制度」に転換したことで、「役割に応じた評価区分・評価基準」を導入できたことが、何より大きな進展でした。具体的には、「組織における役割」に軸足を置いた「目標管理による業績評価」と「等級別行動基準による行動評価」を導入したことで、会社のビジョンやミッションとの連動性の高い評価が行えるようになりました。

■ 成果

 経営が、従来制度に対して抱いていた不全感は、人事制度の基準軸が「個人」であったことに起因していました。「職能資格制度」では、「個人の能力ややる気を伸ばす」ことが「会社の成長につながる」と説いています。しかし会社は組織であり、社員は組織の一員です。したがって、社員は一人ひとりが孤立した「個人」として存在しているのではなく、「組織の一翼を担う者」として存在しています。であるならば、社員の処遇は、「組織の一員として、どんな役割を担い、それに対してどう貢献したか」によって決めるほうがわかりやすく、かつ合理的です。

 「責任等級制」は、組織の階層構造と対応づけて社員の役割・等級を決定しますので、会社の経営計画と、組織目標、個人目標をシンプルにつなぐことができます。

 経営計画と個人目標との連動性が高まれば、組織責任者はもちろんのこと、組織に所属するメンバーも、自分の仕事が、組織の中でどんな位置づけにあり、他の人たちの仕事とどのように関わりあって、どのようにして組織や会社に貢献できるのかが、見えやすくなります。そして、そのことこそが、社員一人ひとりが面白がって、あるいは使命感を持って、組織に参画する強い動機づけのもとになると思われます。

(まとめ)

1.「職能資格制度」を「責任等級制」に転換したことで、組織における役割責任の大きさにふさわしい処遇を実現する基盤を整え、

2.報酬制度を作り変えて、役割と貢献度に応じた報酬を実現できるようにし、

3.評価制度を整備して、組織における役割にふさわしい業績や行動を、目標や評価基準にとりあげることができるようになった

以上が、現時点での成果と言えます。

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