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人事コンサルティングの事例

人事制度診断ー 制度改定の効果と人事管理の現状を定量的に把握する

お客さまのプロフィール
社名 C社 業種 製造業
従業員 正社員550名 売上高 100億円

■ 概要

 人事制度に不満を感じてせっかく制度を改定されても、実際にどのような変化があったのか、今後どのような効果が出るのか、また、より良い人事管理のためにはどのような点に気をつければよいのかといった点を検証しないままになっているケースが多いのではないでし ょうか。
 今回紹介する事例は、目に見えにくい制度改定の効果、人事管理の状況を定量的に把握しようとしたものです。

■ 背景と課題

 C社は国内に工場を持つ化学製品の製造業です。
 創業以来、顧客・市場から信頼を得て順調に拡大してきましたが、会社が大きくなるにつれて年功的な人事制度による閉塞感が社内に広がっていました。

 そこで、3年前に役割責任に基づく人事制度を導入し、年功的な昇進・昇給を少しずつ是正しながら現在まで運用されてきましたが、この間、担当役員の交代などもあり、適切な制度運用ができているのか、当初期待していた効果がでているのかが検証されないままになっていました。
 また、今後の人事管理をより良いものにするためには、どのような課題があるのかを把握したいとのご要望もあり、社員の状況や人件費の実態の定量的な把握・分析を依頼されました。

■ コンサルティングの内容

 はじめに、現在の人事管理の状況を把握するために、各人の属性・賃金・賞与・評価のデータや、過去5年間(制度改定年とその前後2年間)の売上・利益、人員推移、昇格・降格者数、採用実績・今後の見込、退職者の属性等のデータを提供してもらい、以下のような観点で分析を行いました。

 

<分析の観点>
1.人員構成:雇用区分別・年齢別の現状、適正人員とのギャップ
2.人事制度の運用実態:昇降格の推移、評価の分布、年齢別・等級別・役職別の月給/賞与/年収の分布
3.賃金水準:年齢別・評価別の世間相場比較
4.人件費:労働生産性の推移、売上・利益と人件費推移の関係
5.将来の人件費・人員構成:退職率、採用予測、昇格等を加味した今後の推移

 分析の結果、5年間の売上や利益、人員数、労働生産性などに大きな変化は見られず、安定的な事業運営が行われていることがわかりました。
 制度の運用面に目を向けると、昇降格者の推移は制度改定前と後では大きな変化があることがわかりました。
 制度改定前は適任者がいないとして空きポジション(役員や部長が兼任)になっていた各チームの責任者を積極的に任命し、そのポジションにふさわしい等級が与えられるようになっていました。
 一方で年功的な昇格・昇進はほとんどなくなっており、制度改定の狙い通り役割責任を基軸としたメリハリのある人事制度が着実に浸透してきていることがわかりました。

 ただ、全てがうまくいっているわけではなく、月例賃金の推移に目を向けてみると、平均昇給額が制度改定時の想定よりやや高めになっており、この原因が評価の上ぶれによる影響だということもわかりました。
 評価には一定の相対評価比率が設定されていたのですが、やや甘めの運用になっていたようです。

 また、評価と賃金の高さの関係を見ても、まだ低評価・高賃金の人が一定数存在し、過去の年功的な人事制度によって形成された状況を完全には是正しきれていないことが見て取れました。
 ただ、これらは当初から時間をかけて是正することを目指しており、あと数年経てば状況の改善が見込まれます。

 将来的な人員の推移を、現在の退職率、採用人数から試算してみると、管理職手前の中堅層が今後不足する可能性が高く、この層の採用・育成に早い段階から取り組むことが課題の一つであることがわかりました。

■ 成果

 定量的な分析を行い、5年前~現在を見える化・グラフ化したことにより、人事管理の現状、今後の課題を関係役員・担当社員のあいだで共通認識を持つことができました。

 浮かび上がった課題の中には、すぐに解決できないものも含まれていましたが、早い段階で気づけたことにより、中長期的な視点で対応を考えることができます。
 特に、採用・育成等の比較的時間を要する問題については、社内でプロジェクトチームを作り検討していくことになりました。
 また、人事制度改定時の想定と実運用が乖離している部分も明らかになりましたが、これは運用がよくなかったのか、それとも当初の想定が間違っており、実運用に合わせたほうがよいのかを検討したうえで、対応する予定です。

 このように、普段は数値化・客観化することの少ない人事管理の状況をデータの裏付けをとりながら分析することで、重要課題が浮かび上がり、関係者一体となって、いち早く、問題解決に着手することができるようになります。

賃金水準:年齢別・評価別の世間相場比較の一例

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