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人事コンサルティングの事例

「ポイント制退職金・中退共への移行」事例

お客さまのプロフィール
社名 J社 業種 精密化成品製造・卸業
従業員 約250名(正社員) 売上高 約100億円

■ 概要

 J社では、2007年4月から責任等級に基づく実力主義の人事制度に移行、続いて2008年4月にそれまでの賃金連動型の退職金制度から「ポイント制退職金」に切り替えました。発揮された実力によって毎年ポイントを付与し、累積ポイントによって退職金を支給する方式です。同時に、適格退職年金の積立資産を中小企業退職金共済に移行しました。

■ 背景と課題

 J社が賃金連動型の退職金制度の見直しを進めた理由は、大きく3つあります。

  1. これまでの「退職時の基本給×勤続年数別支給率×退職事由別乗率」という退職金の算定方式では、従業員の勤続年数が増え続けると、予想以上のハイペースで退職金の要支給額が増えていく心配がありました。
  2. 新賃金制度は、高い賃金ゾーンにいる社員がゾーンより低い評価を受けたときはマイナス昇給の対象となります。現行の退職金規程では、マイナス昇給を行ったときに既往の勤続年数に見合う退職金の既得権分が減ってしまうという不具合が起きます。
  3. J社では30年ほど前から生保会社との契約による適格退職年金を利用し、退職金原資の外部積立を行ってきました。適格退職年金の制度は2012年3月末に廃止されることが決まっており、この制度のままでは損金処理での掛金積立ができなくなります。

■ コンサルティングの内容

 新しいポイント制では、次の算定式で退職金を計算します。

退職金額=累積ポイント数×1点単価×退職事由別係数

 毎年付与するポイントは、本人の勤続年数に応じた勤続ポイントと、等級に応じた等級ポイントとを組み合わせています。1点単価は1万円とし、勤続ポイントは最低4から16の幅で設定しました。勤続20年以上30年未満で最も増え方が大きくなるようにしています。等級ポイントは、I等級6~VI等級25まで累進的に等級に比例するよう設定しました。

 これらのポイントは、現行制度のままだと将来の会社負担が大きくなりすぎることを考慮し、Aモデル人材はこれまでと同水準の定年退職金(約1500万円)が支給されるようにしましたが、Bモデル人材はこれまでよりもやや抑制する水準に設定しました。

 会社都合/自己都合の違いを調整する退職事由別係数は現行制度の係数をそのまま使用しました。

 移行時には、在籍者の2008年3月31日段階での会社都合退職金を各人別に算定し、これを1万円で割り算したポイントを全員に付与します。以降、1年経過ごとに上記基準によるポイントを各人別にプラスし、退職時に累積ポイントに応じた退職金額を支給します。

 なお、適格年金で積み上げてきた退職金資産は全額を中小企業退職金共済に移行し、以降共済制度の中で新たに会社負担による掛金の積立を継続します。掛金は、等級別にI等級5000円~VI等級1万8000円と決めました。

■ 成果

 新退職金制度の設計にあたり、現行制度の退職金資産・債務をきちんと把握し、何通りも将来推計も行いました。会社として運営可能な見通しのきいた退職金制度に再構築できたことで、経営として大きな安心が得られました。

 ポイント制退職金に移行したことで、基本給の昇給や降給がそのまま退職金額に連動する心配はなくなり、実力主義の賃金制度をその本来の趣旨・目的に沿って運用する下地が整いました。

 制度移行に当っては、従業員説明会を開いてコンサルタントが制度変更の目的や新旧制度の違いなどを詳しく説明し、新退職金制度に移行すること、適格年金の資産を中退協に移行することについての組織的合意もとりつけています。

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