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人事コンサルティングの事例

「執行役員の報酬制度づくり」事例

お客さまのプロフィール
社名 D社 業種 衣料・介護用品製造
従業員 約250名(正社員) 売上高 約100億円

■ 概要

 D社は、衣料・介護用品分野で独自の強みを持つ中堅企業です。2009年4月にそれまでの職能等級人事制度から、当社の推奨する役割責任準拠の人事制度に移行し、これと並行して執行役員制度についても規程を整備、報酬の見直しを行いました。

■ 背景と課題

 同社はこの数年中に事業承継を予定しており、その機会にこれまでの同族経営色の強い経営から、マネジメントの明確なオーナーシップ経営に転換する準備を進めています。その一環として、取締役会と経営管理・執行体制のあり方、役員処遇の仕組みについても新たな方向性を模索してきました。

 従業員の新人事制度の改定に併せて、これまでややあいまいになっていた執行役員の位置づけについて権限・責任を明確にし、実力主義の報酬制度に切り替えていくことが課題となりました。

■ コンサルティングの内容

 D社の新人事制度は、従業員の役割責任階層を6等級に分け、非管理職についてはI~IVの4階層、管理職についてはV(課長クラス)、VI(部長クラス)の2階層に区分し、それぞれ等級別のゾーン型賃金表と貢献賞与の配分点数表を用意しています。

 執行役員の位置づけは、取締役会によって選任され、会社の業務執行を委任された者と位置づけ、次の3区分で構成しました。いずれも任期は2年です。

  1. 取締役執行役員・・・代表取締役執行役員、常務取締役執行役員が該当します。常務はVII等級相当の組織階層に相当する本部長の職位を担当します。
  2. 委任執行役員・・・取締役ではない常務執行役員が該当します。同じくVII等級の組織階層に相当する本部長の職位を担当します。
  3. 従業員執行役員・・・会社の業務執行を担当する従業員です。VI(部長クラス)等級の職位を担当します。

 このうち、1、2については会社との委任契約、3については雇用契約の関係です。社長の率いる各常務(取締役)執行役員本部長は、配下の部長および執行役員部長を統括し、その目標設定と評価を行います。

 ここで、本部長の配下にある部長および執行役員部長は、組織上の役割責任階層としては同列のVI等級として扱いますが、執行役員部長には他の部長に対する「管掌義務」を持たせ、本部長の目標設定と評価を補助するとともに、管掌する部長の業績に対して共同責任を負うこととしました。

 また、執行役員部長の報酬は、会社の業務執行チームのメンバーたる役員層として活用するため、社員の賃金制度とは一線を画すこととしました。

 一般の部長の賃金制度は(基本給+管理職手当その他の手当)×12+定例賞与(業績連動+成績評価)となり、基本給はVI等級の賃金表を使い、毎年の号俸改定を行います。

 これに対して執行役員部長は、(基本報酬+通勤手当)×12+定例賞与という形態とし、基本報酬は評価ランクSABCDの5段階による固定額で運用します。金額は、D評価であっても従業員の月例賃金の最高額以上で設定しました。従来、執行役員は全員一律の金額を支給していましたが、今後は、評価によって各人差が生じます。ただし評価がダウンするような場合は、執行役員を外れてもらうことを原則とし、実態上は任期中に評価の据え置きやアップはあるが、ダウンはないという運用をします。

 賞与については、従業員の総原資とは別枠で、夏・冬・期末それぞれに基本報酬の1カ月分を基本に支給することとしていますが、将来的には、企業業績に連動してすべての執行役員の賞与を貢献度に応じて配分する方法を検討します。

■ 成果

 これまで、同じ部長という肩書を持ちながら、社長が報酬を決める執行役員と、給与規程によって賃金が決まる部長とが併存し、違いがあいまいな状況が続いていました。

 今回、執行役員規程を明文化する中で、少なくともこの両者の違いがはっきりし、執行役員部長の処遇体系も明確になりました。今後はさらに取締役執行役員や委任執行役員についても権限・責任・報酬基準を明確化し、包括的な役員規程として整備する予定です。

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