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人事コンサルティングの事例

「営業目標管理とプロセス改善」事例

お客さまのプロフィール
社名 S社 業種 新聞販売業
従業員 約180名(内、正社員約120名) 売上高 約20億円

■ 概要

 営業の仕事は評価しやすい、目標も立てやすいといわれていますが、本当にそうでしょうか。いまの評価方法で、営業の仕事はうまくいっていますか? 今の目標の立て方で、営業の成果はあがっていますか? なかなか、そうはいいきれないはずです。

 これからご紹介するのは、中国地方のある都市で新聞販売・チラシ広告代理店を一手に行ってきた会社が、営業目標管理とプロセス改善に取り組み、成果をあげている例です。

■ 背景と課題

 S社では、これまで、各地区を担当する社員が勧誘・配達・集金を一人で引き受け、成績を競いあう個人プレーの営業体制をとってきました。地域独占の合売店のメリットを享受して、これまでは経営にも余裕があったのですが、この数年は新聞・折込チラシともに売上が低下してしまいました。

 現状を打開するため、同社では「顧客に提供する価値」とは何か、そして会社のミッション(使命)とは何かを徹底的に見直し、営業部門の目標のつくり方そのものから抜本的に改めたのです。

■ コンサルティングの内容

 同社では、まず「商品・効用分析」を行い、自社商品の強みは何なのか、その価値がきちんと地域の見込顧客に届いているのかを検証しました。その結果、新聞にはテレビやWEBニュース(インターネットや携帯)などの競合にはない長所、強みがあること、新聞の価値がきちんと読者に届くためには、「継続的に新聞を購読してもらうことで、生活によりよい変化を体験してもらうこと」が営業の重要なポイントであることが分かってきました。

 これまでのようなひたすら「新聞をとってください」を機械的に繰り返す拡張一本やりの営業スタイルでは、その長所、強みは生かせません。

 続いて「顧客ニーズ・打ち手分析」を行い、新聞をとらない顧客、とってもらえない顧客にはどのようなことが起きているのかを「なぜなぜ5回」などの方法を駆使して分析しました。

 その結果、新聞をとらない大きな原因の一つに、「そもそも新聞を読んだことがない」「新聞の面白さを体験したことがない」「新聞はお金をかける価値があることを知らない」という未読・無読世帯が意外に多い事実が浮かび上がったのです。

 同社ではそれまで、各地区の売上高の合計=全社売上高を会社の営業目標にしてきたのですが、今後は「1年以上読者の月間売上高合計」を新しい営業目標とし、長期購読者の増大に組織的に取り組むことにしました。

 具体的な営業活動のプロセスも、これまでのように販売数値目標だけで営業にプレッシャーをかける方法では限界があるという反省に立ち、次のように変えました。

 今まで未読・無読世帯に対しては、ただ1軒ずつ訪問して「新聞をとってもらえませんか」と勧誘してきただけですが、新しい方法では、(1)まず見本の試読紙を届ける、(2)2~3日後に試読の挨拶をして好きな新聞を選んでもらう、(3)1週間後に感想を聞いて有望な見込み客を勧誘する、という誰でもできるステップ・バイ・ステップの方式に変えたのです。

 営業の業績評価も、それまでは契約件数・金額という「結果」だけ追いかけるものでしたが、これを思い切って誰でもできる「活動」を詰める方法に切り替えました。

 上の活動(1)(2)(3)を丁寧にやっていけば、必ずある歩留まりで新聞のよさに気づいてもらえるお客様に出会えるはずです。活動を詰めることで、結果がついてくるという考え方です。

■ 成果

 ここでは無読世帯に対する営業プロセスを紹介しましたが、これ以外にも、生徒・学生のいる家庭や、高齢者世帯、就活中の学生、ビジネスマン、スポーツ好きなど、さまざまな打ち手が可能な対象顧客のセグメントが考えられます。顧客のセグメントごとに効果的な営業プロセスを組み立て、重点活動指標をセットし、結果に結びつくための行動をきちんとやったかどうかを管理していけば、営業活動の歩留まりは大幅に向上するはずです。

 S社では、手始めに営業成績の優秀な地区担当者数名を選抜して、新しい営業活動をパイロット的に開始しましたが、実際に成果があがり始めています。

 今後は、このやり方を本当に誰でもできるやり方にまで完成させ、全社的にこのやり方を拡げていく予定です。

 また、これまで営業が手薄だった事業所法人や学校(教材)、マンションなどに対する組織的な営業や、セミナーなどのイベント営業にも応用しようとしています。未開拓市場を掘り起こし、長期固定読者を増やして新聞売上の低下に歯止めをかけることができれば、社員の長期雇用と安定的な賃金処遇も可能になります。社員の皆さんもこの試みには大きな期待を寄せています。

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